バイナリーオプションの平均足の使い方は?導入方法から手法まで紹介
平均足はローソク足に比べると利用者は少ないものの、トレンド把握に優れるという特徴があります。
平均足は特に順張りにおいて非常に心強い指標であり、使い方をマスターすることでトレードの幅が大きく広がります。
ただし、平均足はローソク足とは異なる独自の分析が必要で、弱点も存在するため、正しい使い方を知っておくことが欠かせません。
このページでは、バイナリーオプションにおける平均足の基本から、平均足を使った手法まで詳しく見ていきましょう。
バイナリーオプションにおける平均足とは
平均足は日本で生まれたチャート分析方法で、コマ足とも呼ばれます。
日本ではトレードの際、ローソク足が使われることが一般的です。
一方の平均足はもともとローソク足に修正が加えられた指標なので、見た目はローソク足と似ていますが、トレンド発生中の描画ではローソク足と平均足では大きく印象が異なります。
そこでまずは、なぜ平均足とローソク足とで違いが生じるのかを解説していきます。
平均足とローソク足の違い
平均足とローソク足は、チャート画面に表示すると下画像のようになります。
上画像が平均足、下画像がローソク足で同じ相場を描写したものです。
これらの画像の違いの中で、特に注目すべきはローソク足では上昇トレンド中も陰線が見えるのに対して、平均足では陰線の出現頻度が極端に減っている点です。
こうした違いが出る理由は、下の表にまとめたようにローソク足と平均足の計算方法の差異にあります。
表示方法 | 高値 | 安値 | 始値 | 終値 |
---|---|---|---|---|
ローソク足 | 最も高値で取引された価格 | 最も安値で取引された価格 | その足の最初に取引された価格 | その足の最後に取引された価格 |
平均足 | 最も高値で取引された価格 | 最も安値で取引された価格 | 1本前の足の始値・終値の平均値 | 現在の足の高値・安値・始値・終値の平均値 |
高値と安値の算出方法はローソク足も平均足も同じですが、平均足は始値と終値をその足の変動幅の平均値で計算して描画します。
そのため、平均足ではチャートに現れる細かなノイズが取り除かれた状態になり、ローソク足よりもトレンドがわかりやすくなっています。
また、平均足は始値が1本前の足の始値と終値の平均値を描画するという性質から、新しい足は必ず前の足の中心から描かれ始めるため、窓開けがないことも特徴のひとつです。
バイナリーオプションで平均足を使うメリット・デメリット
続いて、平均足ならではのメリットとデメリットについてもチェックしておきましょう。
平均足のメリットとしては、下の3つが挙げられます。
- トレンドの方向性や転換点を把握しやすい
- 押し目での順張りエントリーがしやすい
- 細かなダマシを回避しやすくなる
一方、平均足のデメリットは下の2つです。
- プライスアクションによる分析が効きにくい
- レンジ相場や揉み合いでは機能しにくい
これらのメリット・デメリットについて、詳しく見ていきます。
平均足はトレンドがわかりやすい
平均足を使うメリットは、主にトレンドのわかりやすさから生じるものです。
平均足は始値と終値を平均値で表すことから、小さな反発は描写されません。
そのため、上昇トレンド中には陽線(白色)が、下降トレンド中には陰線(赤色)の連続性が保たれやすいのです。
こうした性質から、平均足はダマシが発生しにくいだけでなく、トレンドが発生しているか、また継続中かどうかも読み取りやすくなっています。
また、トレンドが把握しやすいという特徴から、押し目でのエントリーがしやすいことも平均足のメリットです。
陽線(白色)の連続から陰線(赤色)が出現した場合、トレンド転換の可能性が考えられます。
他の指標も組み合わせつつ、一時的な押し目であると判断できれば、エントリーポイントとして効果的に機能するでしょう。
プライスアクションが効きづらい
平均足のデメリットとしては、ローソク足に比べてプライスアクションが効きづらい点があります。
先ほど平均足のメリットにダマシに遭いにくいことを挙げましたが、小さな値動きが平均によって呑み込まれるということは、プライスアクションの情報の一部が見えなくなってしまっていることを意味します。
プライスアクションは高値・安値・始値・終値の4つが揃ってこそ成立するものなので、平均足ではローソク足と同様の分析を行うことはできません。
また、平均足はレンジ相場や揉み合いで方向感がない相場だと機能しづらい点もデメリットといえます。
平均足では価格を全て平均化してしまうので、レンジ相場や揉み合いの場面で、売りと買いのどちらの圧力が強くなっているかを読み取ることができません。
トレンドのわかりやすさにおいては特化した性質を持つ平均足ですが、レンジ相場の分析を行いたい場合は他の分析方法を取り入れることが適切でしょう。
MT4への平均足の表示方法
MT4には標準機能として「バーチャート」「ローソク足」「ラインチャート」の3種類のチャート表示方法が備わっています。
この中には平均足は含まれていませんが、インジケーターから設定が可能です。
上部メニューの「挿入」タブから、「インディケータ」→「カスタム」→「Heiken Ashi」を選択しましょう。
ただし、インジケーターとして表示すると平均足がチャートに重なってしまうため、チャートの方の表示を消す必要があります。
チャート表示を消すには、上部メニューの「チャート」タブから「プロパティ」を開きます。
すると「色の設定」タブでチャートの色を指定できる画面が出るので、
- 上昇バー
- 下降バー
- 上昇ロウソク足
- 下降ロウソク足
これらを「None」に指定し、OKを押せば完了です。
ローソク足チャートの表示がうまく消せないようなら、一度チャートの表示をラインチャートに切り替え、「色の設定」タブで「ラインチャート」を「None」にするという方法もあります。
バイナリーオプションにおける平均足の分析方法
平均足を使ったチャート分析では、主に下の4つのポイントに着目していきます。
- 陽線・陰線の連続:トレンドの発生
- 平均足の実体の長さ:トレンドの強さ
- 平均足のヒゲの向き:トレンドの方向
- 陽線の下ヒゲ・陰線の上ヒゲ:トレンド転換
注意しなければならないポイントとして、平均足のチャート分析方法はローソク足とは異なります。
見た目が似ていてもローソク足での経験則をもとにした判断は避け、平均足は独立したチャート分析方法として一から学びましょう。
陽線・陰線の連続:トレンドの発生
まず平均足の基本として、陽線・陰線が連続して現れた場合にはトレンドの発生を意味します。
MT4に平均足を導入すると、上図のように陽線は白色、陰線は赤色で表示されます。
つまり陽線(白色)が連続していれば上昇トレンド、陰線(赤色)が連続していれば下降トレンド、ということです。
同じ色が続いていればトレンドが発生していて、色が変わればトレンドも変わったと簡単に判断できるのは、平均足の最大の強みといえます。
平均足の実体の長さ:トレンドの強さ
平均足は色だけでなく、実体の大きさからもトレンドの情報を読み取ることが可能です。
例えば上図では、陽線(白色)の連続で上昇トレンドが形成されています。
しかし高値圏に近づくほど実体の長さが短くなり、最終的に小さな実体の陽線の次に陰線(赤色)が現れてトレンドが転換しています。
特に実体が非常に小さい足はコマ足と呼ばれ、トレンド転換のサインとなるため注意しましょう。
ローソク足の場合、実体の大きさからだけではトレンドの強さまでは分かりません。
一方、平均足ならこのように実体の大きさに着目することで、トレンドの勢いの強さや弱まってきたかどうかを判断できます。
平均足のヒゲの向き:トレンドの方向
平均足とローソク足との違いとして、最も気をつけなければならないのがヒゲの扱いです。
ローソク足では、長い上ヒゲが出ると下降を示唆し、長い下ヒゲが出ると上昇を示唆するとされています。
しかし、平均足ではヒゲの見方がローソク足と全くの逆になります。
平均足の場合、上ヒゲが出ていれば上昇トレンドであることを表します。
そのため、長い実体を伴う陽線(白色)が連続していて、かつ長い上ヒゲがあるようなら、強い上昇トレンドだと判断できます。
同様に、下ヒゲは下降トレンドであることを示します。
大きな実体の陰線(赤色)が連続し、長い下ヒゲもついているようなら、勢いのある下降トレンドです。
陽線の下ヒゲ・陰線の上ヒゲ:トレンド転換
平均足のヒゲからは、トレンド転換も読み取ることができます。
先ほど、実体の大きな陰線(赤色)に長い下ヒゲが合わさったパターンは強い下降トレンドだと説明しました。
しかし、時には下図のように、実体の小さな陰線(赤色)に上ヒゲや、実体の小さな陽線(白色)に下ヒゲが出現することがあります。
このように、トレンド方向を示す平均足の実体とヒゲの方向が相反している場合は、トレンド転換を示唆しています。
特に実体が徐々に小さくなり、反対方向へのヒゲが少しずつ長くなってきているようなら、逆張りトレードはリスクが高いため避けるべき局面です。
トレンド転換はバイナリーオプションで逆張りを行う際に重要なサインとなるため、必ず覚えておきましょう。
平均足とパーフェクトオーダーを使ったエントリー
平均足を活用したバイナリーオプションの手法として最も活用しやすいのが、移動平均線のパーフェクトオーダーに合わせたエントリーです。
移動平均線は、以下の3種類を表示してください。
- 短期線(緑):21
- 中期線(黄):50
- 長期線(青):100
平均足のチャートに3本の移動平均線を表示すると、上図のようになります。
上図の赤丸は、短期線が中期線と長期線を上抜けたゴールデンクロスが発生したタイミングです。
ゴールデンクロスによって、3本の移動平均線が全て同じ方向になるパーフェクトオーダーが発生しているため、強い上昇トレンドが発生していると判断できます。
その上で、黄色丸のように平均足が短期線にタッチする場所で順張りのハイ(HIGH)を入れていきましょう。
ゴールデンクロス後のパーフェクトオーダー発生中は、上昇トレンドになっているため平均足の陽線(白色)が連続して出現します。
しかし価格は常に上がり続けることはなく、押し目と呼ばれる一時的に戻すタイミングがあり、移動平均線へのタッチは多くのトレーダーが意識している反発の目安です。
加えて平均足の転換も重なるところを狙うことで、より根拠の厚いトレードになります。
平均足は順張りで真価を発揮する分析方法
平均足を活用すればトレンドの把握が行いやすくなり、順張りにおける勝率アップが見込めます。
ただし平均足も万能ではなく、レンジ相場では機能しづらいなどの弱点も持っているため、現在の相場が適しているのかどうかトレーダー自身の見極めが重要です。
平均足はトレンド相場での運用を基本に行うことで、トレードの心強いパートナーとなるでしょう。
平均足を使ってバイナリーオプション取引実践
それでは、本当に平均足の分析で稼ぐことはできるのでしょうか?
紹介した攻略法を駆使して、実際に取引をしてみました。
今回の取引を動画で確認したい方はこちらからどうぞ!
バイナリーオプション業者 | ハイローオーストラリア |
---|---|
取引通貨 | ETH/USD、BTC/USD、GBP/JPY、AUD/USD |
使用インジケーター | 移動平均線 |
判定時間 | Turbo3分判定 |
平均足 | 1分足 |
トレンド相場を狙って取引開始だ。
平均足を使って取引実践 1〜3回目
今回は、トレンド相場に絞って順張りで取引していきます。
ETH/USDでパーフェクトオーダーが発生し、価格が短期線にタッチしていることを確認しました。
早速ハイローオーストラリアで順張りのHighエントリーを入れていきます。
1分足で分析して、3分か5分判定での取引が有効です!
結果を待つ間に、BTC/USDに同じようなエントリーポイントを発見しました。
同じ仮想通貨で、USDを含む通貨ペアなのでチャートが似たような動きをしています。
1回目と同じように、短期移動平均線にタッチしたタイミングでHighエントリーを入れました。
まず、1回目のエントリーの結果を見ていきましょう。
ちょうどエントリー地点で反発し、価格はかなり順調に上昇しています。
危なげなく成功することができました。
2回目の結果を待っていると、チャートに気になる動きがありました。
Highエントリー後上昇しましたが、また短期線まで下降してきました。
ただ、パーフェクトオーダーは継続しており、平均足も上ヒゲで陽線の実体も長いです。以上のことから、まだ上昇すると読んで追加のHighを入れていきます。
仮想通貨ペアなのでHighが強いことも、エントリー根拠の1つだ。
仮想通貨は年々価値が上がっていますからね!
結果を2つまとめて見ていきましょう。
3回目のエントリー後、価格は下降することなく緩やかに上昇したのでどちらのエントリーも成功です!
最初に3連勝できたので、かなり利益を上げることができました。
平均足を使って取引実践 4回目
次は、GBP/JPYでエントリーチャンスを確認です。
パーフェクトオーダーと言うには少々微妙ですが、短期線が中期線を上抜けするゴールデンクロスが発生しています。
平均足で相場の上昇傾向を確認後、価格が短期線にタッチしたタイミングで順張りのHighエントリーを入れました。
しかし、予想に反して価格は下降。
エントリーは失敗に終わってしまいました…。
直近の平均足も、陰線と陽線の数が同じくらいだ。
トレンド相場を判断するには早急だったかもしれんな…。
平均足を使って取引実践 5〜7回目
気を取り直して次のエントリーにいきましょう。
先ほどもHighエントリーで失敗したETH/USDと、BTC/USDのチャートで再びエントリーチャンスを確認しました。
平均足は陽線が多く、移動平均線のパーフェクトオーダーも継続しています。このことから、どちらのチャートも上昇トレンド相場が継続していると読み取ることができました。
短期線にタッチしたところで順張りHighエントリーです。
判定時間を待つ間に、もう1つエントリーできそうなチャートを発見しました。
AUD/USDのチャートでエントリーポイントを発見です。
このチャートは上昇トレンドでしたが、陽線の実体が短くなっていたので相場転換を警戒してエントリーは控えていました。
ただ、直近で大きく上昇して陽線の実体と上ヒゲが長くなったので、短期線まで下降したところで押し目狙いのHighエントリーを入れていきます。
まずは仮想通貨ペアのエントリー結果を見ていこう。
上昇幅はあまり大きくありませんが、エントリー地点の価格よりは上昇したので、エントリーはどちらも成功です。
ただ、特にBTC/USDのチャートは短期線を下抜けした割にはあまり反発しておらず、陰線の実体と下ヒゲも長くなっています。相場転換の可能性があるので、順張りエントリーは一旦様子を見た方が良さそうです。
トレンド終わりのギリギリで成功できましたね!
AUD/USDの方も結果を見ていきましょう。
こちらはエントリー後しっかり上昇して成功です!
このチャートではまだまだトレンド相場が続きそうなので、押し目狙いで利益を増やせるかもしれません。
ただ、今回のトレードは終了です。全体的な結果を見ていきましょう。
平均足を使って取引実践 結果
全7回のエントリー結果をまとめました。
勝敗 | 6勝1敗 |
---|---|
勝率 | 85.7% |
損益 | +39,000円 |
かなり高い勝率で、大きな利益を出すことができました!
トレンド相場を見つけることができれば、短期移動平均線にタッチしたタイミングで順張りエントリーするだけなので、バイナリー初心者でも簡単に稼ぐことができると思いました。
連勝しやすい手法なので、パーレー法などを使ってエントリーすればもっと効率的に利益を増やせるのではないでしょうか。
パーレー法はバイナリーオプションに有効なベッティングシステムです。
詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください!
ただ、この平均足の攻略法はレンジ相場では使えないので、相場の見極めが重要になってきますね。
平均足の特徴をしっかりと把握して、トレンド相場を見つけたら順張りでエントリーしてみてください!