バイナリーオプションでパーレー法は勝てる?稼ぐ仕組みやポイントを解説
パーレー法は少額の資金でも大きなリターンが見込める手法として、バイナリーオプションでも人気があります。
負けた時の損失額をトレーダー側でコントロールできることも、パーレー法の魅力のひとつです。
しかし、パーレー法はメリットが多く見える反面思わぬ落とし穴もあるため、あらかじめリスクに備えておかなければ損失ばかりが積み重なる可能性も考えられます。
このページでは、バイナリーオプションにおけるパーレー法の基礎的な知識から、パーレー法を使う時のポイントまで詳しく見ていきましょう。
バイナリーオプションのパーレー法とは
パーレー法は主にギャンブルで用いられてきた、ベッティングシステムと呼ばれる手法です。
他にもマーチンゲール法やモンテカルロ法などがバイナリーオプションに応用されます。
パーレー法のやり方は非常にシンプルで、トレードで勝った分の利益も合わせて投資資金を増やしていくという手法です。
いわゆる「ダブルアップ」をイメージするとわかりやすいでしょう。
勝つたびにエントリー金額が倍になるので、連勝すれば一気に資金が増えます。
なぜバイナリーオプションでパーレー法が注目されるのか
バイナリーオプションでパーレー法が注目を集める理由は、元々勝率50%のギャンブルで使われてきた手法であるためです。
パーレー法が使われてきたギャンブルとして代表的なものでは、勝率50%で配当が2倍のルーレットやブラックジャックなどが該当します。
ハイ(HIGH)・ロー(LOW)の二者択一となるバイナリーオプションも理論上は勝率が50%なので、パーレー法に通じる面があります。
配当に関してもバイナリーオプションではペイアウト率を1.85倍~2.30倍まで選択できるため、2倍以上のペイアウト率を選べばギャンブルのパーレー法をほぼ再現できるわけです。
バイナリーオプションでパーレー法を使うメリット
バイナリーオプションでパーレー法を行うメリットとしては、下の2つが挙げられます。
- 少額資金からローリスクハイリターンを狙える
- 負けた時の損失リスクを最小限に抑えられる
パーレー法の長所を活かした取引ができるようになるためにも、それぞれ詳しく解説していきます。
少額資金からローリスクハイリターンを狙える
冒頭でも触れたように、パーレー法はローリスクハイリターンな手法として知られています。
例えば元手1,000円、ペイアウト率2.00倍でパーレー法を行った場合、連勝回数に応じて得られる利益は下の表のようになります。
連勝回数 | 投資金額 | 利益 |
---|---|---|
1 | 1,000円 | 2,000円 |
2 | 2,000円 | 4,000円 |
3 | 4,000円 | 8,000円 |
4 | 8,000円 | 16,000円 |
5 | 16,000円 | 32,000円 |
ペイアウト率が2.00倍なので、元手の1,000円は一度勝つことで倍の2,000円に倍増します。
そして、2,000円になった資金を全額投入することで、次に得られる利益がさらに倍になっていくという仕組みです。
こうしてダブルアップを行っていけば、4連勝で資金は15倍以上になり、5連勝すると30倍以上まで膨らみます。
1,000円などの少額から始めても大きな利益を狙えることが、パーレー法の最大の魅力といえます。
負けた時の損失リスクを最小限に抑えられる
加えて、リスクを最小限に抑えられることもパーレー法の大きなメリットです。
パーレー法ではそれまでに得た利益も全て次の取引に回すため、負ければ手元には一銭も残りません。
仮に3連勝で1,000円の元手が8倍の8,000円になっていた場合、下の表のように8,000円を一度に失うことになります。
取引回数 | 勝敗 | 投資金額 | 利益 | 損失 |
---|---|---|---|---|
1 | ◯ | 1,000円 | 2,000円 | 0円 |
2 | ◯ | 2,000円 | 4,000円 | 0円 |
3 | ◯ | 4,000円 | 8,000円 | 0円 |
4 | × | 8,000円 | 0円 | -8,000円 |
ただ、7,000円分は1,000円を元手に増やした利益なので、実質的な損失となるのは元手の1,000円のみです。
このように、理論上はわずかな損失リスクで大きな利益を狙えることがパーレー法の利点です。
まとまった資金が用意しづらい場合や、キャッシュバックを活用しての取引では、低リスクで取引できるパーレー法は有力な選択肢のひとつといえるでしょう。
バイナリーオプションでパーレー法を使うデメリット
バイナリーオプションでパーレー法を行う場合には、下の2つのデメリットもあるため注意しなければいけません。
- 利益を伸ばすには連勝や利確の見極めが前提になる
- 連勝後に負けた場合の精神的ダメージが大きい
デメリットを知らないまま運用すると思わぬ損失につながるリスクがあるため、それぞれ詳しく見ていきます。
利益を伸ばすには連勝や利確の見極めが前提になる
パーレー法の最大のデメリットは、たった一度の負けで全ての利益を失うリスクがあることです。
先ほどパーレー法は負けてもリスクが最小限だと説明しましたが、負ければ利益ごと全額を失ってしまうため、一定の利益を出すためには連勝しなければいけません。
つまり、勝率が低い状態だといくら取引しても利益が出せず、損失ばかりが重なっていく可能性があるわけです。
また、やめ時を適切に見極め、手元にある利益を確定させて取引を終える判断力も求められます。
後で詳しく取り上げていますが、勝率50%で5連勝できる確率は3%程度しかありません。
7連勝、10連勝などの大勝ちは類まれな運が必要になるため、自分を過信せずに利確を行うことも大切です。
連勝後に負けた場合の精神的ダメージが大きい
連勝によって利益が伸びている時ほど負けた時のダメージが大きくのしかかることも、パーレー法を行う際には気をつけなければいけません。
初回で負けても3連勝後に負けても、5連勝後に負けても実質的な損失は同額、といっても精神的なダメージは別物です。
人間には「損失回避性」が生まれつき備わっていることが、プロスペクト理論によって証明されています。
損失回避性とは、「手に入れる」ことよりも「損をする」ことを回避したがる心理作用のことです。
実際に、プロスペクト理論の実験で下の2つの選択肢を用意したところ、ほとんどの人はAを選ぶという結果が出ました。
A:100万円が無条件で手に入る
B:コインを投げて表なら200万円が手に入るが、裏なら何も手に入らない
この実験結果には、たとえ期待値が倍以上であっても、「何も手に入らない」より「確実に100万円が手に入る」方を選ぶという損失回避性が表れています。
さらに、「損をする」ことに対して人間が過敏に反応することもプロスペクト理論によって示されています。
1万円手に入れる場合と1万円失う場合とを比べても、損失を被る方が利益を得る2倍も強く感じてしまうことが分かっているのです。
つまり人間の性質上、利益が出た喜びに対して損失は非常に強烈な印象として残り続けます。
パーレー法は利益も損失もあっという間に大きくなるため、得ていた利益が大きいほど損失によって受ける精神的ダメージも膨らみ、平常心が保てなくなることもあるかもしれません。
損失を取り戻そうと次々と資金を投入し、感情的になって取引を繰り返せば、投資資金はあっという間に底を突くでしょう。
パーレー法を使って取引する際には、損失を出した時のことをあらかじめ想定しておき、受け止められるよう心の準備をしておくことが求められます。
大型連勝できる確率は非常に低い
実際にパーレー法で取引を始める前に、勝率ごとの連勝確率も確認しておきましょう。
下の表は勝率30%・50%・70%の3つのパターンで、10連勝までの確率を出したものです。
勝率 | 1勝 | 2連勝 | 3連勝 | 4連勝 | 5連勝 | 6連勝 | 7連勝 | 8連勝 | 9連勝 | 10連勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
30% | 30% | 9% | 2.7% | 0.81% | 0.243% | 0.0729% | 0.02187% | 0.006561% | 0.001968% | 0.0005905% |
50% | 50% | 25% | 12.5% | 6.25% | 3.125% | 1.563% | 0.7813% | 0.3906% | 0.1953% | 0.09766% |
70% | 70% | 49% | 34.3% | 24.01% | 16.81% | 11.76% | 8.235% | 5.765% | 4.035% | 2.825% |
バイナリーオプションは基本的にハイ(HIGH)・ロー(LOW)の二者択一なので、理論上は最低でも勝率50%を維持できます。
それでも、5連勝できる確率はわずか3%程度で、7連勝以上は1%を割ってしまいます。
テクニカル分析を学んで勝率を70%まで引き上げたとしても、10連勝できる確率は2%台です。
こうしたデータをもとに考えると、パーレー法で少額から一攫千金を狙うことは非常に難しく、現実的とはいえません。
負けた時のメンタルへの負担も考慮すると、一定金額を達成したり、一定回数勝利したら取引を一度やめるなど、ルール化しておいた方が無難でしょう。
パーレー法でバイナリーオプションを使う時のポイント
パーレー法について詳しく知っていくと、リスクもリターンも大きいことが分かります。
その上でパーレー法をバイナリーオプションで有効に活用するためには、下の2つのポイントを押さえることが大切です。
- 3連勝したら必ず初期資金までリセットする
- テクニカル分析を学んで勝率そのものを上げる
事前の準備をしておくかどうかで、パーレー法で利益を残せるかどうかは大きく左右されるため、取引前にチェックしてみてください。
3連勝したら必ず初期資金までリセットする
パーレー法を行う際に最も重要なポイントは、投資額をリセットするタイミングを決めておくことです。
バイナリーオプションで5連勝や10連勝できる確率は、上で説明したように非常に低いと言わざるを得ません。
こうした仕組みを前提に考えると、パーレー法で取引する時の目標は3連勝が妥当です。
3連勝なら勝率70%の手法で30%以上の達成確率を維持できる上に、たとえ元手1,000円でスタートして負けたとしても失うのは利益分を含め8,000円に抑えられます。
逆に連勝を重ねて3万円や5万円といった利益が出てからだと、プロスペクト理論で説明したように、負けた時の精神的ダメージも大きくなります。
損失額が大きいと取り返そうという気持ちも強くなるので、ギャンブルトレードに走ってしまうリスクも高くなり、負の連鎖に陥りがちです。
そのため、パーレー法を行う時は3連勝したら一度取引をストップし、次もパーレー法を続けるならまた1,000円からスタートする、というサイクルがおすすめです。
テクニカル分析を学んで勝率そのものを上げる
パーレー法で利益を出していきたいなら、MT4などを使ったテクニカル分析で勝率を上げることも意識してみましょう。
バイナリーオプションがルーレットやブラックジャックなどのギャンブルと異なるのは、分析を行うことで勝率を上げられる点です。
ギャンブルは基本的に運を天に任せることしかできないため、勝率は常に50%です。
しかしバイナリーオプションはテクニカル分析によって勝率を安定して50%から60%、70%へと上げることができます。
勝率50%と70%では3連勝できるかどうかに20%以上もの確率の差が生じるため、連勝確率も底上げされパーレー法で勝ち越せる可能性は大幅に上昇します。
高勝率を維持できていればたとえ負けても最終的な損益をプラスにしやすくなるため、1回ごとの勝敗を冷静に捉えやすくなることも、ギャンブルトレードの抑制につながるでしょう。
バイナリーオプションでパーレー法を使うならルールを導入すべき
このページではバイナリーオプションにおけるパーレー法の使い方から、注意すべきポイントまで詳しく解説しました。
結論として、パーレー法はメンタルコントロールさえできればローリスクハイリターンが狙える手法です。
連勝数を伸ばせば伸ばすほど勝ち続けられる確率が下がる一方で、精神的ダメージも含むリスクは大きく膨らんでいくため、3連勝ストップルールやテクニカル分析を取り入れて継続的な利益を上げられるよう工夫することが大切です。
時に利益を含む全額の損失が出ても、感情的にならず冷静に取引を繰り返せるようになれば、少額の資金を何倍にも伸ばすことも可能になるでしょう。